YouTubeを見ていて「あ、この曲どこかで聞いたことある!」と思った経験はありませんか?
実は、再生回数が伸びている動画の多くが、ある共通のフリーBGMを使用しています。
これらの「定番BGM」には、視聴者に安心感を与え、動画を最後まで見てもらいやすくなるという大きなメリットがあるのです。
動画編集者にとって、BGM選びは想像以上に時間がかかる作業です。
数百曲の中から動画に合う1曲を探すだけで1時間以上かかることも珍しくありません。
しかし、今回紹介する定番BGM5選を押さえておけば、その選曲時間を大幅に短縮できます。
さらに、これらのBGMは既に多くの人気YouTuberが使用して効果を実証済みなので、「この曲で本当に大丈夫かな?」という不安もありません。
また、フリーBGMの最大の魅力は、もちろんコスト面です。有料の音楽素材サイトでは月額数千円〜数万円かかることもありますが、今回紹介する楽曲はすべて無料で商用利用可能。
収益化している動画でも安心して使用できます。著作権侵害のリスクもなく、Content IDによる収益化停止の心配もありません。
この記事では、単に「よく使われているBGM」を紹介するだけでなく、それぞれの曲がなぜ人気なのか、どんなシーンで最も効果的なのか、実際にどんな有名YouTuberが使っているのかまで詳しく解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたの動画編集の引き出しが確実に増え、より効率的で質の高い動画制作ができるようになっているはずです。
YouTubeでよく聞くフリーBGM5選
では実際にどのようなフリーBGMがYouTube動画でよく疲れるのか実例とともに見ていきましょう
YouTubeでよく聞くフリーBGM① 2:23AM
深夜のまったりとした時間を演出する、Chill・Lo-Fi系の楽曲です。特徴的なのは、クランチトーンのエレキギターが奏でる心地よいリフ。
程よく歪んだギターサウンドが、アナログレコードのような温かみのある質感を生み出しています。
この曲を聴くと、深夜2時のコーヒータイム、一人でゆっくり過ごす部屋、街の灯りを眺めながらの作業風景など、「夜更かし」のシーンが自然と頭に浮かんできます。
まさに都会の夜を切り取ったような、ノスタルジックでありながらも現代的な雰囲気を持つBGMです。
最近では特にYouTube ShortsやVlog系動画で頻繁に耳にするようになりました。
派手すぎず、かといって地味すぎない絶妙なバランスが、視聴者を動画の世界観に自然に引き込んでくれるのです。
短尺動画でも長尺動画でも使いやすく、ループ再生しても飽きが来ない構成になっているため、編集者にとっては非常に扱いやすい一曲と言えるでしょう。
2:23AM 使用例
YouTubeでよく聞くフリーBGM② Escort
アコースティックピアノが奏でる、優しく温かみのある三拍子の楽曲です。軽快なリズムでありながら、どこか切なさを感じさせる慎ましいメロディラインが特徴的。
まるで午後の陽だまりの中で聴こえてくるような、穏やかで心地よい雰囲気を演出してくれます。
この曲の最大の魅力は、その絶妙な「主張しなさ」にあります。視聴者の注意を話の内容に集中させながら、同時に動画全体に優しい雰囲気を添えてくれる。
だからこそ、事例紹介や解説動画で圧倒的に支持されているのです。
特に、成功事例やポジティブな内容を扱う動画、教育系コンテンツ、ハウツー動画などで頻繁に使用されています。
Escort 使用例
YouTubeでよく聞くフリーBGM③ 野良猫は宇宙を目指した
エレキギターが爽やかに響く、明るく楽しいポップロック調のBGMです。
三拍子の軽快なリズムに乗せて、希望に満ちたメロディが展開されていきます。どこか切なさも感じさせながら、最終的には前向きな気持ちにさせてくれる、感情の起伏が豊かな一曲です。
この曲の特徴は、「終わりと始まり」を同時に感じさせる独特の雰囲気です。
動画のエンディングで使用すれば、視聴者に「また次も見たい」と思わせる余韻を残しつつ、爽やかな後味で締めくくることができます。
(平成フラミンゴさんも一時期エンディングで使用していた時期がある模様)
旅行Vlogのラストシーン、チャレンジ企画の成功シーン、成長記録の締めくくりなど、ポジティブな展開で終わる動画には特に相性抜群です。
野良猫は宇宙を目指した 使用例
YouTubeでよく聞くフリーBGM④ おいかけっこキャッハー
高音域の弦楽器と木管楽器が織りなす、明るく騒々しいコメディー向けBGMです。
激しく速いテンポで展開される軽快なメロディは、まるでドタバタ劇を見ているような楽しい雰囲気を演出してくれます。
ループ仕様になっているため、どんな長さの動画にも対応できる使い勝手の良さも魅力です。
この曲が流れると、視聴者は自然と「何か面白いことが起きそう」という期待感を抱きます。
ハプニング集、失敗シーン、早送り料理動画、ペットの面白動画など、コミカルな演出が必要な場面で絶大な効果を発揮。
特に倍速再生との相性が抜群で、作業シーンを早回しで見せる際の定番BGMとして多くのYouTuberに愛用されています。
おいかけっこキャッハー 使用例
YouTubeでよく聞くフリーBGM⑤ 風切
和太鼓や三味線などの民族楽器が力強く響く、激しい和風BGMです。
四拍子の速いテンポで刻まれるリズムと、緊張感あふれるメロディが、視聴者を一気に熱い展開へと引き込みます。
騒々しいほどの迫力がありながら、日本の伝統的な音色が持つ独特の情熱が感じられる一曲です。
ゲーム実況の戦闘シーン、スポーツのハイライト、料理動画のクライマックス、チャレンジ企画の山場など、「ここぞ」という勝負所で使われることが多いBGMです。
特に格闘ゲームや和風ゲームの実況動画では、もはや定番中の定番。
太鼓の「ドンドン」という打音が、画面の動きとシンクロすることで、視聴者のアドレナリンを一気に上昇させます。
風切 使用例
フリーBGM選びのポイント
BGM選びで最も重要なのは、動画の内容とBGMの雰囲気を適切にマッチさせることです。
しかし、単純に「明るい動画には明るい曲」という選び方では、プロフェッショナルな仕上がりにはなりません。
Vlog・日常系動画の場合、視聴者が長時間聴いても疲れない、主張しすぎないBGMが理想的です。
Lo-Fi系やアコースティック系の楽曲を選ぶことで、まるで友人の部屋に遊びに来たような親近感を演出できます。
朝のルーティンなら爽やかなピアノ曲、夜のルーティンならChill系のギター曲というように、時間帯でも使い分けると効果的です。
解説・教育系動画では、話の内容を邪魔しない控えめなBGMが必須です。ボーカルが入っていない、テンポが一定で変化が少ない曲を選びましょう。
ただし、チャプターの切り替わりや重要なポイントでは、少し印象的なBGMに切り替えることで、視聴者の注意を引き戻すことができます。
ゲーム実況では、ゲーム自体のBGMとの兼ね合いを考える必要があります。
戦闘シーンでは和風ロックや激しいBGM、探索シーンでは神秘的な曲、感動シーンではオーケストラ調など、場面に応じて複数のBGMを使い分けることで、より臨場感のある動画に仕上がります。
視聴維持率を上げるフリーBGMの使い方
実は、BGMの使い方次第で視聴維持率は大きく変わります。動画の最初の15秒で使うBGMは特に重要で、ここで視聴者の心を掴めるかどうかが、その後の視聴継続を左右します。
インパクトのあるイントロから始まる曲や、すぐにリズムに乗れる曲を選ぶことで、視聴者を動画の世界に引き込むことができます。
また、同じBGMをずっと流し続けるのではなく、3〜5分ごとに曲を変えることで、視聴者の集中力を維持できます。
ただし、曲の切り替えは自然に行うことが大切。フェードイン・フェードアウトを活用し、音量も前後の曲とバランスを取ることを忘れずに。
多くの初心者が陥りがちなミスが、BGMの音量設定です。
基本的には、話し声のピーク時を-6dB程度に設定し、BGMは-18dB〜-24dB程度に抑えるのが理想的。
これにより、BGMは確実に聞こえながらも、メインコンテンツを邪魔しない絶妙なバランスが生まれます。
感動シーンや盛り上がりのシーンでは、一時的にBGMを-12dB程度まで上げることで、演出効果を高めることもできます。
ただし、急激な音量変化は視聴者にストレスを与えるため、必ず段階的に調整しましょう。
使用時の注意点
著作権表記の落とし穴
「フリーBGM」と聞くと完全に自由に使えると思いがちですが、実は多くの楽曲で「クレジット表記」が必要です。これを怠ると、後から著作権侵害の申し立てを受ける可能性があります。
表記が必要な場合、動画の説明欄に「BGM: 曲名 / 作曲者名 / サイト名(URL)」という形式で記載するのが一般的です。ただし、サイトによっては独自の表記フォーマットを指定している場合もあるので、必ずダウンロード前に利用規約を確認しましょう。「表記不要」と明記されている楽曲でも、念のため記載しておくことで、視聴者からの「この曲何?」という質問にも対応できて一石二鳥です。
YouTube Content IDの仕組みと対策
フリーBGMを使用したのに「著作権の申し立て」が来てパニックになった経験はありませんか?これは多くの場合、Content IDの誤検知や、第三者による不正な権利主張が原因です。
まず確認すべきは、ダウンロード元のサイトが「YouTube使用OK」と明記しているかどうか。一部のフリーBGMサイトでは、個人利用は無料でも、YouTube等での公開は別途ライセンスが必要な場合があります。また、人気のフリーBGMは悪意のある第三者がContent IDに勝手に登録してしまうケースも。この場合は、正規のダウンロード元を証明できるよう、ダウンロード日時やサイトのスクリーンショットを保存しておくことが重要です。
万が一申し立てを受けた場合は、慌てずに異議申し立てを行いましょう。正当な使用であれば、ほぼ確実に解除されます。
商用利用の境界線
「収益化している動画での使用は商用利用にあたるのか?」これは多くの動画編集者が抱く疑問です。サイトによって解釈が異なりますが、一般的にYouTubeの広告収益は商用利用とみなされることが多いです。
安全に使用するためには、必ず「商用利用可」「収益化OK」と明記されているBGMを選びましょう。「個人利用のみ無料」という楽曲を収益化動画で使用すると、後から高額な使用料を請求される可能性もあります。企業案件の動画で使用する場合は、さらに注意が必要。「企業の商品紹介での使用」を禁止している楽曲も多いため、案件用とそれ以外で使用するBGMを分けておくのが賢明です。
改変・編集の可否
動画に合わせてBGMの長さを調整したり、フェードアウトを追加したりすることは日常的に行われていますが、実はこれらも「改変」にあたる可能性があります。多くのフリーBGMは「切り貼りOK」「ループ使用OK」となっていますが、「テンポ変更NG」「ピッチ変更NG」という制限がある場合も。
特に注意が必要なのは、複数の楽曲をミックスして使用する場合です。マッシュアップやリミックスは、ほとんどの場合で禁止されています。どうしても必要な場合は、作曲者に直接許可を取ることをおすすめします。
配信・生放送での使用
録画した動画と生配信では、BGMの扱いが異なる場合があります。一部のフリーBGMサイトでは「ライブ配信での使用不可」としているケースがあるため、配信者の方は特に注意が必要です。また、TwitchやTikTokなど、YouTube以外のプラットフォームで使用する場合は、それぞれのプラットフォームの規約も確認する必要があります。
まとめ
プロの動画編集者への第一歩は「定番BGM」から
今回紹介した5つの定番フリーBGMは、数多くの人気YouTuberが実際に使用し、その効果を実証してきた「鉄板」の楽曲たちです。
これらを自分の引き出しに入れておくだけで、BGM選びに悩む時間を大幅に短縮でき、より映像編集そのものに集中できるようになります。
しかし、ここで重要なのは、単に「みんなが使っているから」という理由で選ぶのではなく、なぜその曲が効果的なのかを理解して使うことです。
Lo-Fi系BGMが深夜のVlogに合う理由、三拍子のピアノ曲が解説動画で重宝される理由、和風BGMが盛り上がりシーンで使われる理由。
これらを理解することで、定番BGMを起点に、自分だけのオリジナルな選曲センスを磨いていくことができます。


